はちみつはむし歯になりにくい?

   

みなさま、こんにちは。目黒区 中目黒の歯科医院「中目黒ゲートタウン歯科室」 管理栄養士の斉藤です。

今回は「はちみつ」についてお話します。

はちみつの栄養について

はちみつの糖分はブドウ糖と果糖という糖類が主成分になります。ブドウ糖、果糖はともに単糖のため、これ以上分解する必要がなく体に入るとすばやく吸収され、エネルギーに変換されます。食後約20分で体に吸収されるので、胃腸への負担も軽くすみます。また、砂糖(ショ糖)と比べると甘さを感じやすいため、白砂糖の半分程度の量で甘さを感じることができます。

また、はちみつは糖分だけでなく必須アミノ酸、ビタミンB2、葉酸、カリウム、ポリフェノールなども含まれている栄養価が高い食品です。

むし歯にならないわけではない

砂糖(スクロース/ショ糖)がムシ歯の原因になる理由の一つとして、ムシ歯菌が砂糖(スクロース/ショ糖)を材料にして「不溶性グルカン」を作りだすことと、酸を産生するためです。

「不溶性グルカン」はネバっとした物質で、プラークの形成に重要な役割を果たしています。ムシ歯菌は、自身が作り出した「不溶性グルカン」により歯の表面に強力に付着して、そこでたくさんの細菌の集合体が形成されます。これが増えて歯の表面の汚れとなったものが、プラークというものです。ムシ歯菌は乳酸も作り出すため、プラークの中が酸性となり、プラークに接している歯面にむし歯が出来てしまいます。

ブドウ糖や果糖は、この「不溶性グルカン」を形成する材料にはならないため、はちみつは、砂糖(スクロース/ショ糖)を主体とした甘味料を含む食品に比べると、プラークがつきにくいと言えます。しかし、ムシ歯菌はブドウ糖や果糖から「不溶性グルカン」は作り出せずとも乳酸は作り出しますので、はちみつを多く長い時間食べてしまうとむし歯になる可能性はあります。

はちみつを選ぶ時は、砂糖が含まれていないものを

砂糖と異なりプラークがつきにくいはちみつですが、種類によって砂糖が含まれているものもあります。選ぶときには食品成分表をみて選ぶと良いでしょう。

・純粋はちみつ

添加物等を加えていない純度100%のはちみつです。非加熱のものと加熱処理をしているものがあります。

・精製はちみつ

純粋はちみつから匂いや色を取り除いたものです。加工の際にはちみつの栄養素は壊れてしまいます。

・加糖はちみつ

水あめや果糖、ショ糖などを添加した加工品で、純粋はちみつの含有量が全体の60%以上のものです。

はちみつにはボツリヌス菌が含まれている場合があります。ボツリヌス菌は腸内で増殖し、毒素を排出します。大人は菌に耐性ができているので問題ありませんが、赤ちゃんはまだ耐性ができていないので菌に負けてしまい最悪の場合死に至ってしまう場合もあります。ですので1歳未満の赤ちゃんには与えないように注意しましょう。

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